偽恋人の恋愛事情




「あ!おはよう会長!」



鈴本くんと反対側の隣に並んだ影


あら

「佐賀くん、おはようございます」

カバンを肩に担いで、相変わらずだらしない制服の着方をした佐賀くん登場

2人とも背が高いから真ん中に挟まれてしまった私はどちらも見上げなければならない


「最近仲良いね2人、付き合ってんのー?」

揶揄うように言った

あれ?佐賀くんは知らなかったのかな


「付き合ってるよ」

鈴本くんが涼しく答えた

同じクラスだから知ってるかと思ってた


「え?…あ、まじなの?」



「噂だと思ってた」

「事実ですよ」

同じく涼しく答える私

「あ、そ…そう」

なんか急に目が泳ぎ始める佐賀くん


「ま、そういうわけだから」



鈴本くんの手が私の肩に回る

そのまま引き寄せられる


「狙わないでね?」

なっ

「鈴本くん!」

密着した状態でニヤリと口角を上げている鈴本くんをキッと睨む

「怒らないでよ会長〜」

「もう!」