偽恋人の恋愛事情



「見つけてくれてありがとう。ちょうど探していたんです」

あまりにも堂々と言ったせいか2人が怯むのが見えた


「それからもう一つ、ここまでやってくれるとむしろ助かります」

「は?」
「な、なんのこと?」

「私は見境なく人を疑ったり、悪意を掻い潜ったりすることは苦手なんです。だからこんなにわかりやすくやってくれるとこちらも堂々とあなた方を敵視できます」


胸を張って細い目で2人を見据える
狼狽えているのはなぜかいじめている側

ふふ、案外気持ちのいい光景


2人の手から自分の上履きを取る
濁った水が滴っている

泥水っぽいね

ならば


「よく言いますよね。目には目を、歯には歯を。だったら…」

上履きを大きく振りかぶって勢いよく2人の方面に泥が飛ぶよう、ビッビッと水を切る

「きゃあ!」
「うわぁ!」


「クソにはクソを。です」


クソにだってなってやろうじゃない



勘違いしないでいただきたい

確かに私は品行方正な生徒会長ではあるが、それ以前に城木雪音という人間だ

そして真面目な生徒会長の性格が素晴らしいものとは限らない


悪は成敗する。もちろん

でもやり方はヒーローとは違う

やられたらやり返す
それの何が悪い

私は教育番組の脚本家ではない


「同レベルでごめんなさいね。徹底的にやり合うつもりなのでしょう?もちろん、受けてたちますとも」