偽恋人の恋愛事情




「どうしたの?いらないの?」
「見つけてきてあげたのにー」


人気者の彼女になると言うのがこんなに多難なことだったとは

これは先が思いやられる
間違いなく前途多難だろう


私は鈴本くんと契約を交わした時

私の生活に支障をきたすようなことがあれば即契約破棄だと告げた


しかし、だ。


彼はなんら関係なく私に救いの手を求めたわけではないらしい

そのことはこの前一緒に帰った時に知った

そしてその時、私は彼にこう言っている


ーー 逃げることは悪いことではない


と。



そう啖呵を切っておきながら逃げ口である私がいなくなってしまえば

彼は路頭に迷うだろう


それにああいうセリフは逃げない人間が言うからかっこいいのだ

私は人間としてある程度の美意識は兼ね備えているつもりだ

ここでいじめられたから契約破棄してなんて言うのはダサすぎる


それにこんな程度の低い女2人にいじめられて別れましたなんてことが知れ渡ったら

生徒会長として…いや城木雪音として恥でしかない


そう、ぶっちゃけ鈴本くんのことはどうでも良い

これは私のためだ

ここで逃げるのは城木雪音として御法度だ



さあかかってこい

私は弱くない

受けて立つ