偽恋人の恋愛事情






「え、まじ?できたんだけど」

「だからここだけ意識してればこの問題はできるんですよ」

目をまん丸にしてノートを掲げる佐賀くん

「すっげぇぇ!!」


15分というものすごく短い時間ではあったが
どうしてもというのでなぜか佐賀くんに数学の応用問題を教えることに

時間もなかったので割りかし雑に教えたつもりだったけど…


「すげぇよ!会長!まじ天才!」

そりゃそうよ
こちとら会長なんですもの

「俺これでテスト満点だわ」

なわけ

「ありがとうな!この勉強会のおかげでテスト頑張れる気がするわ!」


……

きっと…気を遣ってくれたんだろう

勉強会を楽しみにしていた私を見ていたから

彼なりに


「佐賀くん」

「へ?あ、会長俺の名前知ってたんだ」

「当たり前じゃないですか。佐賀大成くん」

「あ…」

「どうも、ありがとう」


このちょっとだけ残る虚しさと、気を遣われてしまったことの恥ずかしさと、そして純粋な感謝を

それらがちゃんと伝わるように


不器用ながら

なるべく優しく笑ってそう言った


「……」