偽恋人の恋愛事情




…楓くんを好きになったのは…

いつだっただろうか


たった数ヶ月前なのに、ずいぶん昔のことのような気がする



あの雨の日、家を飛び出した私を迷わず助けに来てくれたことも

私のために、坂下さんや松本さんに怒ってくれたことも

私の努力や悩みを、当たり前のように受け止めてくれたことも

お父さんや兄さんに立ち向かってくれたことも

壇さんから守ってくれたことも



思えば…

それら全部、毎回毎回…私はあなたに恋をしていったのだ



「分からない。私は楓くんに会うたびに、言葉一つかけてくれるたびに…毎回好きになっていったから」


そしてこれからも


「きっとこれからも、好きになっていくよ」



偽恋人として、始まったこの関係は

どんな複雑な因数分解よりも難問だったけど


あなたに会うたびに、少しずつ解けていったから


好きという解に辿り着いたのだ