偽恋人の恋愛事情




「じょーん…」

ティッシュで鼻を噛んで、小さく拍手をする

「素敵な映画でした」

「気に入ってもらえてよかったよ」



………

「……」


楓くんの落ち着いた声が聞こえて、現状に気づく


私は楓くんの腕を抱えたまま、ものすごいくっついている

楓くんは笑いを堪えるような顔で私を見ている



「……忘れてください、私の醜態は」

「ごめんなさい、むりです」


……や、やってしまった

くっつかないと宣言しておきながら

この体勢はないだろ、ないだろ私!


「……ふ…」

「……笑ってますよね、楓くん」

「…いや?…ふ」


〜〜〜っ!!


「もう!これは映画のせいです!」

「ふっふふふ…」