翌日


「おはよう」

「おはよう雪音。昨日は眠れた?」

「んーあんまり」

「はは、俺も」


パジャマのままの姿で楓くんが笑う


「寝癖ついてるよ」

「まーいいだろ?俺の家だし」

「ふふ、うん」

「おいで、今日はゆっくりしよ」

うん


ソファに座る楓くんの前に立つ

「あ、でも今日は私がご飯当番だ。作らなきゃ…わ!」

台所に向かおうとした手を引かれて、楓くんの上に座ってしまう


「か、楓くん!」

「後でいいよ、今はこっち」

「もう!」

「いいだろ?もうちょっと昨日の余韻に浸らせて」

そう言って私を抱きしめる


「今日の夜帰っちゃうんだろ?」

「うん」

「だったらさ、お願い」

……

「わかった」



…幸せだ

明日から学校だというのに

全然嫌じゃない


だって学校へ行けば楓くんに会えるから

だか…ら


「あ」

「あ」


2人揃って何かに気づく


「忘れてた…」

「…うん。もう一つ、大きな問題が残ってる」




ハッピーエンドの流れだと思ったのに…

向き合わなければならない問題がもう一つある



「「佐賀!(くん!)」」