偽恋人の恋愛事情




「雪音」


ずっと黙っていた父親が口を開いた

「…帰ろう」



「はい」



春正さんにお辞儀をする

「さようなら」

「……さようなら、雪音さん」


顔を上げて春正さんを見る

そして振り向く



静かに立っていた楓くんが手を出した

「雪音」

その手をとって車に乗り込んだ


白い薔薇を持った春正さんがお父さんにお辞儀をする



その綺麗な人に見送られて、私たちは

海沿いの豪邸を後にした