偽恋人の恋愛事情



しばらくして静かに車が現れる



「あれ?あんな車でしたっけ」

白色じゃなかった?

アレは…シルバーだよね

しかももっと高そう…


「…ちょっと、待って」

春正さんが顔を歪ませる

「雪音さん、こっちへ」



春正さんに腕を引かれて背中に隠れる


目の前で車が止まり、運転手が出てきて扉を開ける

黒いスーツを着たイケオジが出てくる

なんかちょっと…怖そう

誰だ?


「…父さん、なんできたの」

と、父さん!?

ってことは…社長!?


春正さんがやめてくれというようにため息をつく


「来るに決まってるだろう!息子の大事なお見合いの日じゃないか!」

「もう終わったよ、今日は雪音さん帰るから」

「何を言ってる!これからのことを私も一緒に話し合わねば!」

え、え?

「もう今日は終わったんだってば」

「お前たちのお見合いは、だろう!さあどいてろ」

春正さんはお父さんにぐいっと退かされる


後ろにいた私を見てニカッと笑う

ちょっと間違えればヤクザにすら見える、整えられたヒゲがイカつい

春正さん同様背が高く、春正さんよりもガタイがいい


思わずひぃと小さな声で言ってしまう