「…もしあなたが嫌でなければ…僕は構わないので…理由を聞かせてくれませんか?」
…
この人には誠意を見せなければならない
そうして、私を諦めてもらわなければ
あなたから離れていってもらわなければ割に合わない
…だったら
話そう
「わかりました。少し長くなります」
「ええ。どうぞ」
…
本当の自分のことを話すのは
少し怖いんだな
きっとそれは
壇さんとの時間を
私が楽しいと思っていたからだろうな
「…実は私…1ヶ月ほど家出をしていたんです」
「…家出?」
「家族と喧嘩をして…今までは大人しく従ってきたつもりでしたが…我慢できなくなって父親と兄に酷いことを言って飛び出したんです」
夏休みに入る前だった
「…原因は…父親が私の大切な人を侮辱したからでした」
「……」
「思い切って家を出て…当てもなく彷徨っていた時に…助けを求めたのが、その、大切な人でした」
…楓くんが
迷わず助けに来てくれたのだ
「その人は私のわがままを聞き入れて、しばらく家においてくれました…そうして1ヶ月ほど過ごすうちに…その人への想いは大きくなっていって…」
でも
…でも、なんだ


