「…この前雪音を怒らせた原因は交際相手のことだった。そんな状態でこの話をしたところで火に油を注ぐようなものだとは思っていた」
じゃあなぜ話した
「だが、これははっきり言わせてもらう」
…ごく
「私は雪音と、今現在雪音と交際している男との関係は認めていない」
…
「雪音が彼をどう思っていて、彼が雪音をどう思っているかは知らん。だが知と学があり、確実な将来を約束できる男にしか雪音はやらん。お前に何度水をかけられようが、これだけは譲れない」
やはり一筋縄では行かない
だけど
ただ真っ向に私の意見をぶちおられるわけではなかった
あくまで私の意見を汲んだ上で、それでも楓くんとのことを反対し、なおかつお見合いをしろ
ということだろう
結局結果は同じだ
だがこちらも一筋縄では行かない
父親もそれがわかっているはずだ
「私はこの家の名誉や価値を守るためのお父さんの駒ではありません。1人の人間です。愛のない結婚なんてしたくない。
もし仮にそのお見合いから交際、結婚に進み、私が一生不幸に過ごすことになっても、あなたは構わないということですか」
「そうは言っていない」
「あなたにそのつもりがなくても私にはそう捉えることしかできません。なぜ好きな人と交際することがいけないのですか」
交際と言っても偽物だ
もしこのことを父親が知れば、ただじゃおかないだろう
でも、それでも
たとえこの関係が一時的なものであったとしても
彼の隣にいることができる今を
失いたくない


