偽恋人の恋愛事情





久しぶりの家での夜ご飯


私の前ではホワホワした表情の兄

そして不思議そうにそれを見る父親

とても居づらい私


「あ、雪音、ソースかけてあげようか」

「結構です」

「塩のほうがいい?」

「自分でやるから黙ってて」


はあぁぁぁ


「…お前たち…本当に兄妹喧嘩してたのか?」

私のあからさまな兄への態度を見て父親が尋ねる


「喧嘩というほどでもないですけど、雪音が本音をぶちまけてくれたので」

「兄さん、余計なこと言わないで」

「…」

箸を止めて目を丸くする父親


…さてそろそろ

本題に入ろう


チラリと兄に目配せする

こくんと頷く


「…父さん」


兄が箸を置いて父親へ向き直る


「この前言ってた話、雪音にした方がいいと思うんですが」



父親はハッとして箸を置く


「そうだな…。雪音」

「…はい」

「お前にお見合いの話が来ている」




思えば

彼氏がいるという話が問題になり、私が家を飛び出したというのに

帰ってきてこの話をできる父親には驚愕だ


「…お見合いですか」


「ああ、とても良い方だ。有名大学に通っている、雪音の一つ上の壇春正さんという方だ」

だん、はるまさ…

「今は東京に住んでいるが京都出身でいずれは父親の会社を継ぐことになっているらしい」

…はあ


「来週、お見合いを行うことになった」