偽恋人の恋愛事情




きゅっと兄の服の裾を掴む

死ぬほどきしょいけど

私の中の抵抗感すごいけど

やるっきゃない



「ゆ、雪音?」

ゆっくり見上げで上目遣いを決める

「私嫌だよ…ぉ、お兄ちゃん」

おえ


「ゆっっ!!」

ピシャーンと兄の背景に雷が見える


「私、知らない人のところにお嫁になんて行きたくない」

「う、うん、うんうん、そうだよね」

ふっ…チョロい

「絶対に嫌だよ……ぉ、お兄ちゃん」

おえっ


「ゆっっ」

ピシャーン


「何とかしてよ、助けてお兄ちゃん」

おえっ


「お、俺も雪音をお嫁に出したくなんかないよ」

きしょ

「まだお見合いまで一週間ある。何か打開策を見つけよう」

うしゃ

チョロくて助かった



兄は今確かにキモいけど

シスコンだけど

確実に力はある

この私よりも、はるかに頭がいい

社会人だし、それなりの知識と技術、そして人脈を持っている

父には及ばずとも、かなり強力な助っ人だ



「ありがとう」

「いいんだよ、雪音のためなら海にだって飛び込むさ」


じゃあどうぞ