偽恋人の恋愛事情




「残念ながら全て事実」


……


「来週にお見合いがセットされてる」


……


「嫌だ」

「…うん」


嫌だよ

普通に嫌だよ!


「絶対に嫌!」

「うん、わかってる。雪音が頷くわけないって思ってた。家出してるわけだし」

「そうでしょ!?家出した娘をお見合いさせるって馬鹿なの!?それに私に彼氏がいるってこと知ってるでしょ!?」


「…父さんは、雪音に確実な将来を歩ませたいんだよ」

は!?

「苦労してほしくないから、きっと…」

っ!

「そんなのただのエゴじゃん!そこに私の気持ち一切ないじゃん!何もわかってない、あの父親は私のこと何にも…っ!」


その時、ふと頭に浮かんだ。



楓くん


楓くんがいる


私には…心から好きな人がいる


お見合いなんて…絶対に嫌


私たちは偽物だけど、それでも特別な関係だ


私には彼以外に考えられない




「雪音?」

「……」


自分を見失っちゃだめだ

感情に任せてさっきみたいに取り乱すと、落ちてるかもしれない解決策を見落とすことになる

考えろ

何か…この最悪の事態を避けるための方法を


まず

大事なのは






ちらっと兄を見る

心配そうに私を見ている



…大事なのは


味方を増やすことだ