偽恋人の恋愛事情




オミ、アイ

私が?


「何の冗談?」

「冗談じゃないよ!父さんの会社の取引先の大手企業の社長に、自分の息子とぜひ娘さんをお見合いさせてくれないかって言われたんだって」

「…嘘でしょ?」

「嘘じゃない。俺にとっても耐え難いことだったから抗議したんだ。でも無理だった」


きもい

俺にとってもキツいってシスコンだからってこと?

それこそキツいわ


「私自身が断ればいいだけでしょ?」

「そうはいかないよ、向こうは父さんの会社よりはるかに大手の企業だし、父さんも社長じゃなくて副社長だ。社長にやれって言われたらそう簡単には引き下がれない」

……え

まじなの?


「一年くらい前にさ、俺と雪音も父さんに連れられて会社の親睦会みたいなところに行ったろ?」

ああ、問答無用に連れ出されたやつ?

親族がいた方が好感がいいとか言って

「あれにその取引先の社長も息子を連れてきてたらしくて、その息子さんが雪音に一目惚れしたんだって」

は?


「雪音の一つ上で、今は有名大学に通ってる。もしお見合いを呑んでくれるのであれば、その大学にも入れるように手を回すって言われたらしく…父さんはそう言う話に目がないだろ?」

…た、確かに

「それで前向きに考えてるらしいんだ」


……嘘でしょ?