あんまり人に甘えるのは良くないけど
ここにいるよりかはマシだ
ずっと溜めてきた甘えをここでふんだんに使って、少しずつ返していこう
「もういいですか?そこ退いてください」
「…ゆ、雪音」
なんなのよもう!
「なんですか?」
少しイライラして返す
兄はなんだか気まずそうに目を逸らしながらチラチラこちらを見る
そしてスッと息を吸って…
バッと…
頭を下げた
「え?」
「今までごめん!」
…は?
「雪音のこと、いっぱい傷つけてごめん!」
なに、を…
「お前があんまりにも機械みたいで、何を言っても何も感じていないように見えて…
普通に傷つくに決まってるのに、そんなことないだろうって勝手に自己解決して、好き勝手言ってごめん」
深く頭を下げたまま、そんなことを言う
見たこともない兄の姿に思わず口を開ける
この人が私に謝るなんて前代未聞だ
振り絞ったような震える声で、小さく見える兄の頭をただ茫然と見つめる
「この前だって俺のせいであんなことになって…出て行った雪音を追いかけたんだけど…見つけられなくて」
え?
お、追いかけてたの?
私を、あんたが?
そういえば…高見さんも
駆けつけた時にお父さんは硬直してたって言ってたけど…兄さんのことは言ってなかった


