偽恋人の恋愛事情




腐っても親子か。


私のこの頑固な性格は間違いなくあの人譲りだな


ため息をつきながら階段を登ると、バタバタという音が上から聞こえる

そして階段を上り切った私の前にバッと現れたのは


「兄さん」

「ゆ、雪音…戻ったんだね」


クソ兄貴である


何をそんなに慌てていたのか知らないけど、スリッパもまともに履けていなくて、髪もちょっとボサボサ

でもこれからどこかに行くのか、外行きのような、あんまり見ないオシャレな格好をしている

そして目を丸くして私を見ている


「そろそろ戻れと言ったのは兄さんでしょう」

「ま、まあそれは、そうだけど…本当に帰ってくるとは思ってなかったから」

「帰ってきたわけではありませんよ。すぐ向こうに戻ります」

「え?」

「夏休みの間はお世話になることになってるので」


というか、邪魔

どいて

なんでそんな目の前におんの


「で、でもいつかは帰ってこなきゃいけないじゃん。だったら早いうちの方が…」

「帰ってこなきゃいけませんか?」


なんならもう2度とここには戻りたくないんだけど

早く自立しよう

バイトでも始めようか


城木家は無駄にお金持ちなのでお小遣いは毎月かなり入ってくる

たまに参考書買うくらいでほぼ全てを貯金に回しているから

自立しようとしてもなんとかならんこともない


大学も奨学金目指せばなんとかなる

それにきっと

しばらくは楓くんが受け入れてくれる