偽恋人の恋愛事情



翌日


「ついていかなくて大丈夫?」

「平気です」


私は、約1ヶ月半ぶりに帰宅する


「明日戻ってくる?」

「順調にいけば…ですかね」


まるで主人を待つ愛犬のように、垂れ下がった尻尾が見える


「ちゃんと戻ってきますよ」

「ほんと?」

「だから部屋片付けないでくださいね」

「片付けるわけないじゃん」


この人は案外寂しがり屋だ

学校の人気者のクールイケメンとかいうこの人が

こんなドロドロに甘えている姿なんてよっぽど見れないだろうな


「行ってきます」

「あ、雪音」



ぽすっと頭に楓くんの手が乗る

それと同時にドクンと心臓が波打つ


「頑張ってね」

……

こういうところが本当に好きだ


「ありがとう」




さあ、いざ、戦場へ


名残惜しそうに私の背中を見つめる同居人を後に、1ヶ月ぶりの我が家へと向かった