偽恋人の恋愛事情





好きです楓くん


大好きです


本物の恋人になりたい


ずっとそばにいて欲しい


私を特別にして欲しい


…当然

声に出して言う度胸も、勝算もないけれど



この気持ちは墓まで持っていかなければならない

だけど

自分にまで嘘をつくのは無理だ

その域まで来てしまったのだ



ここに帰ってきてはいけない

きっと自分が苦しむことになる

叶いもしない想い人と一つ屋根の下でなんて暮らせない


だから断らなきゃいけないのに

なのに



「…わかった」


それができないのは

この恋煩いという病気のせいだ


厄介なことになった

品行方正冷静沈着な城木雪音が聞いて呆れる


でも


「ふふ、ありがとう」





まあいいかと思えてしまうこれも

恋の副作用というやつだろう