理解に時間がかかったようだが、少しずつわかってきたのか佐賀くんがあたふたし始める
「なんで会長がいんの」
「だからさっき言ったろ。色々あったの。訳ありだよ」
「だ、だからって同居?話飛びすぎだろ?」
まあそれはそう
「私史上最大の家出中です」
「家出?」
そう
「今朝、少しだけ話したあの家からの脱獄に楓くんが協力してくれたんです」
「…なんで楓なの」
それは…
「「恋人なので(だから)」」
楓くんと声が重なった
「は…」
呆然と私を見ていた佐賀くんがハッとしたように現実に帰ってくる
「で、でも偽物だろ?」
「偽物でも恋人は恋人だ」
「それじゃ偽物の意味ねぇじゃん」
「でも普通の同級生よりは特別」
「そういうことじゃなくて、それじゃ偽物の域を超えるだろ!」
「だからなんだよ」
「なんだよって、そっちこそどうなってんだよ!そこら辺の線引きは!」
「緊急事態なんだよ」
「はぁ!?」
まあ、佐賀くんの言っていることは的を射ている
確かに私たちは今現在、完全に偽物の域を超えている
家出とは言え、程にはせず、本当に高見さんの家に転がり込むことだってできた
だけどなぜかあの時
高見さんがこの提案をした時、その発想にならなかった
当然のように彼が私を受け入れ、私は彼の広げた腕に飛び込んだのだ
なぜかと言われてもわからない
でも結果、こうなっているのだから仕方がない


