…
「あの」
「ん?」
「彼は事情知ってるわけですけど…これ効果あります?」
「あるよ」
ソファの上で、ピッタリくっついて並ぶ私たち
楓くんが私の手を握っている
楓くん曰く、おそらく佐賀くんは私たちの関係を小馬鹿にしているらしく
きっと偽の恋人もテキトーな物だと軽く見ているという
しかし身近な人間を騙せないようでは、今後この関係を続けるのは至難の業
というわけで、たとえ仮面カップルだとしてもこちらは本気でそれをやっていると分からせるために
恋人らしい雰囲気作りを徹底しようということだ
なんだか、かなりこじつけのような気もするが
「佐賀はこれから先も俺たちのこの関係に興味持っていろいろ探ってくると思うんだよね。だからこっちが真面目に恋人やってれば探ったり茶々入れたりするのもやめると思うんだ」
は、はあ
「だからやるからには徹底的にってこと」
あーもしかして
「諦めさせるってそういうことですか?」
さっき言ってたやつ
「…んー。それはまた…別のことかも」
え?
「なんですか?」
「…知らなくて良いよ」
えー気になる
…というかさ
「佐賀くんいないのにやる必要あります?」
今この段階でこんなにくっつく必要はないのでは?
私の心臓が暴れているので、可能ならやめていただきたい
心音がバレる
「……」
黙りこくった彼をジトっと見る
「必要ないですよね」
「?」
なんだそのすっとぼけた顔は


