偽恋人の恋愛事情



少し、私を見たまま何か考えるような表情をする楓くん


「…確かに、良い機会かもしれないね」

機会?

「佐賀に見せつけて諦めさせるための」

??

諦めさせるって何?

「何を諦めさせるんですか?」


私を見て少し笑った

「まあそれは、追々」

え?


ぽかんとする私をよそ目に再び電話に向き直る

「わかった、いいよ。でも驚くなよ」

そう言って電話を切る


「佐賀来る」

「了解です」

「割とすぐだわ、家近いから」

「そうなんですか」

「で、さ。」




楓くんが私に手を伸ばす

思わずその手に自分の手を近づけるが、触れる前に止める

「な、なんですか」


しかしブレーキも虚しく、楓くんが私の手を引っ張る

体制を崩して、前のめりになる


「見せつけてやろうか」

「え?」

「ちゃんと恋人やってるってとこ」


……え?