偽恋人の恋愛事情



ガチャ


ぶわっと風が吹く

反射的にスカートを抑えた


「わあ…」

初めて来た

大体屋上って入れないイメージだったけど

この学校は使えるんだ

「すごい」

高い

そりゃそうか

綺麗…


海辺の学校だから潮風が吹いてくる

街が見える

海も見える

思ったより、この街は広い


「綺麗…」

風が髪を靡かせる

無駄に長い私の髪がふわふわと踊る

思わず端っこまで行ってフェンス越しに景色を見る


あ、通学路

あの交差点で楓くんと別れる
あれが楓くんの家だ

無駄に豪華な城木家も見える

あ、あのスーパー思ったより家から近い
遠回りしなきゃいけないから遠いイメージだった

あっちは…



「危ないよ会長」



肩に手を添えられてビクッとする

佐賀くんが私の肩を引いた

また、彼のイメージとは違う真面目な顔をしている


「フェンスあります」

「それはそうなんだけどさ」



私をじっと見る佐賀くん


「なんか、天使に連れ去られそうで怖い」

え?何それ
死ぬってこと?

「何言ってるんですか?」

「…何言ってるんだろうね」