雪音side


「会長!」
「会長!」



「坂下さんと松本さん…」


いつもと違う方向からいつもと違う鞄といつもと違うカッターシャツで登校を終え

どっと疲れて席に座っていると例の2人が現れる

「「おはようございます!」」

「おはよう…」


満足げに私を見ていた坂下さんが何かを見てギョッとした顔をする

「会長…どうしたんですか!」

え?何が?

「もしかして誰かにやられたんですか!」

何?なんの話?

「教えてください!そいつとっ捕まえに行くので!」

だから何?
何を言ってるのよ


「鞄です!」

鞄?

「会長が使っているのはいつも綺麗なブランド物のスクールバックじゃないですか!でも今日のは違う!ブランド品どころか、もう破けそうなボロボロのリュックサック!」

そんなこと言ってやるな

これは楓くんから借りたものだ


「誰かに鞄を隠されたんですか!壊されましたか!?」

まさか〜あなた達じゃあるまいし
そんな馬鹿みたいなことしないよ誰も


「あぁ!!?」

ええっ!?

「どうしたまっちゃん!」

まっちゃんって呼んでるの?松本さんのこと…


「か、かかかっカッターシャツも違う!」



「ほ、本当だ…いつもはきっちり着てらっしゃるのに…会長の綺麗な鎖骨が見えています」

気持ち悪いわね

急に寒気がして首元を隠す