あぁ、だめだ…彼だけは傷つけたくない。

だって、 どんなに想われたって私は……


同じ感情を返せる自信も。


彼に本当に好かれているという自信も、持てない。


きっと、理斗だって、最後は離れていってしまうに決まってるっ…!



だから付き合うなんて、 好きなんて…


⎯⎯⎯ 私には過ぎたモノだ ⎯⎯⎯



静かに軋む心を必死に抑える。


実はもう既に手遅れなほど、鼓動を動かされていることには気づかないのであった。



何も言えなくなってしまった私に

彼がそれ以上何かを言ってくることはなく

ただ穏やかで心地のいい静寂が私たちを包んだ。