⎯⎯⎯⎯遡(さかのぼ)ること約2ヶ月前の入学式の日


式に向かう際、女子の大群を見つけた (…というか嫌でも目に入った)。



その台風の目には⎯⎯⎯


毛先を少し遊ばせた茶髪に、光を吸収して輝く飴色の瞳

極めつけはタレ目に泣きボクロという色香漂うイケメン様がいた。


『佐久良 蓮(さくら れん)』という同じく1年生だそうで


キラキラしい笑顔を振りまくその姿はまるでアイドルだ。



ひっきりなしに連絡先や彼女の有無…etc

色々と聞かれて大変そうだなーと傍目で眺めていた。


ただ理斗とは違ってしっかりと対応していて…

なんなら全員と連絡先を交換してそうな勢いで、軟派な印象を受けた。



関わると要らぬ問題に巻き込まれそうなので、

"触らぬ神に祟りなし" という感じに当初から関わらないようにしていたのだ⎯⎯⎯。