そう息を切らせると、彼はバッと体を離して

「ごめん」

と眉を八の字にして俯いた。



だから、目を合わせるために 「理斗」 と呼ぶ。



彼は顔を上げると⎯⎯⎯


私を見て目を見開き


ついにハラハラと涙を流した。



……初めて見る理斗の号泣に


さっきまでの冷めていた心が熱くズキズキと痛みだし


苦しさに顔を歪めてしまうのを見られないよう顔を背ける。



「瑠花っ…やっと戻ったみたいで良かった……
心をっ、戻してくれてありがとう。……話、させて」



彼はそう言って私を優しく抱き締めた。



もう外はとっくに暗く

話の続きは理斗の家ですることになった⎯⎯⎯。