再び彼らに視線を向けると

理斗が怯えたような、ショックを受けたような顔をして


「る、瑠花…??」


と恐る恐るというように声をかけてきた。


だから私は、綺麗な笑顔を浮かべて



「お邪魔してごめんね。
私はもう行くので気にせず楽しんで?」



と言ってその場を後にした。




◆◆◆




それからはどうやって歩いたのか覚えていない。


気づいたら "ココ" に来ていた。


走ったような気もする、ちょっと喉が渇いてるし。




ちょうどもうすぐ夕暮れ時、私の好きな時間。



⎯⎯⎯色のない私の世界にも色が差すから。



赤色に染まっていく小山に垂れる滑り台

それをベンチに座ってぼーっと眺める。



今日は一段と真っ赤なんだね。


血のような赤だ……すごく綺麗。



いったい誰に話しているのか、


乾いた笑みを浮かべる瑠花の瞳はもう


一切色光を宿していなかった⎯⎯⎯。