そして、彼女と初めて言葉を交わした。 思わず触れたくなる、艶やかに程よくぷっくりした桃色の花唇(かしん)から零れる 透き通るように優しいソプラノは、耳に心地よくてずっと聞いていたくなる。 声に酔いしれ、瞳に見惚れていると少しぼーっとした彼女が "珀真くん、綺麗な瞳だね…" と呟いた。 どうやら無意識に零れた言葉だったようであわあわし出す。 まさか僕と同じ事を考えていてくれたなんて…… あまりの愛しさにだらしなく頬が緩まりかけた。