でも、 まだ彼の気持ちに飛び込めるほど、気持ちが追いつけていないのもまた事実だった。



「次言ったらハグ避けるからね」


「はーい、 瑠花好き。早く僕の所まで堕ちておいで」



そう凝りもせずまた抱きしめる理斗であった。



彼の甘すぎる行動にこんなに振り回されるとは……


予想していたようで全く出来ていなかった。




そうして、 幾許(いくばく)かのスキンシップ濃度が落ち着いた代わりに



「可愛い」 やら、 「瑠花好き」 やら……



言葉攻めにあう夏休みを過ごした私は


休みが終わる頃にはすっかり逆上せきってしまい


彼の目が見れなくなっていたのであった⎯⎯⎯。