「や、やめて…」


と思ったよりか細い声になってしまった。



「怖いの? 可愛いね。でも俺、厚意を拒まれて悲しいな〜。…そうだ、お詫びに俺と遊んでよ」


と気持ちの悪いニヤケ顔で迫られ

怖さに動けず泣きそうになっていると…



「離せよ、嫌がってんだろ」


⎯⎯⎯と誰かに体を後ろへ引かれた。



「な、なんだよ!お前!」

「れ、蓮くん……」



すると蓮くんが心配そうな顔をして言う。



「大丈夫?体震えてる…助けるの遅くなってごめん」


「ううん大丈夫。ありがとう」



顔を引きつらせながら言うと

蓮くんは男に目を向けガンを飛ばしながら


「何してんの?早く消えろよ」



そう言う彼の、初めて見る怒った顔はとても怖くて


もし私に向けられてたら、背筋が凍ってしまいそうだった。


男も「ひっ!」 と声を上げ逃げていった。