まさか彼にそんなふうに思われているなんて…


でも誰が相手であろうと答えは変わらない。



「ごめんなさい。 私は付き合えません」



誠意を込めて伝えたつもりなのに…

彼の顔はだんだん歪み、迫ってきた。


……なっ、、なに? 怖いっ!



「どうして? まさか珀真と付き合ったの?
でもあいつと付き合ってないって聞いたよ?
あぁ、でもさっきグループワークの時手繋いでたっけ。
付き合ってないのに繋ぐの?
誰でもいいなら僕でいいじゃないか!!」


と鬼気迫るように宣われ、あまりの恐怖に後ずさる。


あの光景を見られていた事にも動揺し、

首が締まったみたいに口から空気だけがもれる。


声が出せなくなって逃げようとすると…


手首をぐっと強くつかまれた⎯⎯⎯。



「ッイタっ、やめて! はなして!」


咄嗟に声が出て良かったが、

振りほどこうにも痛いぐらい強く握られていて全く振り解けない。