⎯⎯⎯数秒間の静寂に包まれ


まるでこの世界に私達だけとなったような感覚に陥った。



「わ、私とでいいの?せっかくの自由時間なのに」


すると彼は私の左手を優しく包み


「瑠花が、いいんだよ。 僕と一緒に星、見てくれる?」



彼は真剣な顔して言う時

こうして手を握るのが癖みたいで毎度心臓に悪くて困る。



うるさくなる心臓を落ち着かせるよう⎯⎯⎯

握られていない手で胸を抑えながら、

少し俯き深呼吸をして彼を再び見やると…


先程と変わらぬ真剣な目で見る彼に耐えかねて

「うん」 と俯き気味に小さく頷いた。



すると急に目の前が暗くなり、暖かい体温を感じた。



あぁ、理斗に抱き締められたのだ……と悟る。



ジャージから香る、

柔軟剤と体臭が混ざった彼のやわらかな匂いに

トクンと鼓動が大きく鳴る⎯⎯⎯。