そこには…

「良かった…」


チームが勝った。
リレーは1位だったみたい。
『須藤さんありがとう!』、『体調大丈夫?』、『今度打ち上げしよう!』など、たくさん、たくさんメッセージが届いていた。



でも、来てなかった。


あの人からは来てなかった。
心のどこかで、何かを期待してしまっていたのだろうか。
自分から言い出したくせに…



私はベッドに倒れ込んだ。
何だろう。
この感情は。



『メッセージ1件』


パッとスマホ画面を見ると、美咲ちゃんからのメッセージが届いていた。

『お疲れ様です。お怪我大丈夫ですか?ニカ先輩のおかげで優勝出来ました!早く元気になってくださいね!また学校で会いたいです!!』


私、最低だわ。


自分に幻滅した。

自分の隣からいなくなった存在を、他の誰かで埋めようとしていた。


『ニカ、先輩…、まさか電話OKしてくれると思いませんでした。』

心配で電話したくなった、らしい。
鏡に映る、自分の顔は暗い。
部屋が暗いだけじゃない。

目が生きてない。


『先輩、伝えたいことがあったんです。』


寂しさの原因が恋ならば、それを埋めるには"恋"。
するしかないでしょう?


『好きです。ニカ先輩のことが』
『…私とどうなりたい?』

『つ、付き合って、下さい…』

ごめんね。

最低な先輩だよ。