「緊張してます?」
「バレてたかー」

どうやら緊張はバレバレだったらしい。
美咲ちゃんは本当に人のことをよく見ているなと関心する。

2人でグラウンドへと向かうと、本気モードの生徒たちに私は圧倒される。
まず足元の靴からして違うし、アップをしているスピードが、速い!

練習の時から感じていたけど、私と美咲ちゃんの場違い感が凄い。
美咲ちゃんの方が足が速いから、私なんて…


「須藤さん、大丈夫?」

3年生の先輩からも心配をされる。
今までやってきたどんな習い事の発表会よりも緊張する。
こんなことならお父様の会社のお偉いさんの接待をしている方がマシに思えてきてしまう。

「大丈夫です…」
「じゃあこれ、アンカーのビブス着てね~」

先輩に、ハチマキと同じ色のビブスを渡され運動着の上から着る。

「先輩かっこいいですよ!」
「あ、ありがと…」

緊張しっぱなしの私を元気づけるかなように、美咲ちゃんがキュルルンとした表情と声で私を見ながらそう言った。


『まもなく、組対抗リレーを開始いたします。―――――』


アナウンスが流れると、全校生徒が外に出てくる。

緊張しすぎて、吐きそう…

『選手は2箇所に分かれて…』


ギュッ