着替えが終わり、部屋を出る。


「おぉー!いいね!」


ナナミさんは親指を立ててそう言った。
なんだかナナミさんとお揃いの服で、少し嬉しい気持ちがする。

その後は、ヘアゴムを渡され髪を結ばされた。

「横の髪の毛もしまい込んで」
「はい。」

言われるがまま準備をする。

準備を済ませると、ナナミさんに案内されるがままついて行く。

とりあえずついて行くと、さっきたくさんの人が出入りしていたところの中にいつのまにか私はいた。
あの『従業員はコチラ』の場所と繋がっていると理解する。

それにしても、目の前に野菜や果物、少し離れた方にはお魚も見える。
この場所全体が大きな冷蔵庫かなにかなのかしら…


「ニカ!」

「はい!」

「今日は働いてもらうよ!」


…働く?



とは?


「ニカ、バイトしたこととかある?」
「ありません。」

確か学校で聞いたことがある。
バイトというのは、アルバイトのことだったはず。
お金が稼げるそうで、やっているなんて言っているのを聞いたことがあった。

それより、

「ココはどこですか?」

ナナミさんの動きが止まった。
少し間を置いてから何か理解したように、私にこの場所を説明してくれた。

「ここはスーパー。主に食べ物が売ってる感じ。家にある食材は大体手に入るよ」

なるほど…


「では、お手伝いさんはこのようなところでお買い物をしているということなのでしょうか。」

「おてつだ…多分そう!」