「えっ…」
「よろしくお願いします!須藤さん!」

なぜ…


あの種目決めの時、寝ていた私は余っていた種目にエントリーさせられていた。

『あまりにも気持ちよさそうに寝てるから、みんなそっとしておこうって!ニカが居眠りなんて珍しいし!』

と、ナナミに後で言われたど、それにしても…!!!


「頑張りましょうね!リレー!」


体育祭の最後を飾る花形種目『チーム対抗リレー』
どうやらうちのクラスはみんな嫌がっていたらしい。
でもよりによって…

以前の体育の時、まぐれで決まったバスケのシュートが原因で『須藤は奇跡を起こせる!』なんて裏で言われていたらしい。

奇跡を起こせる!と言われても…



私は浮かない気分で、3学年合同の練習に参加していた。
どこにいれば良いか分からず立ちすくんでいると、キュルルンとした可愛らしい声が近づいてきた。


「安在さんは、走るの得意なの?」
「いや、そうじゃないんですけど…んー。」

なんだか理由を言いたくなさそう。
私もこんな理由だから言いたくもない。
安在さんも同じよう感じなのだろうか。


「それじゃあ、試しにやってみよう。エントリー順に並んでー」