2学期が始まって数日経つと、教室は夏休みモードから通常の学校へと変わっていった。
そして年に一度の私が大嫌いなイベントへの準備が少しづつ進んでいく…



「じゃあ、参加種目決めまーす。」

そう、それは『体育祭』である。
うちの体育祭は学年がミックスされて何チームか作り、いろいろな種目で対決する。
去年は1年生だったし、運動が苦手なのがわかっていたから頑なにやりたくないと意思表示を示していたけれど、2年生になると出場枠が増えてしまうので1人1種目は強制参加になっている。

黒板には白いチョークで様々な種目が書かれていくが、どれも苦手すぎて選ぶことが出来ない。

ナナミは運動神経が良いから様々な種目に自動的にエントリーさせられているみたいだった。


(また、私1人…)



自分がこんなにヤキモチ焼きだとは思わなかった。
あの子、安在さんがバイトに来てからだ。
ナナミの方が仕事出来るし、教えるのも当然なんだけど…

思い出すだけで嫌になり机に伏せた。

クラスのガヤガヤと賑わっている声が、良いBGMになったのか、私はいつの間にか意識がどこかへ行ってしまうのだった。