「安在 美咲です!高校1年生です!よろしくお願いします!」
さっき話した時から声が可愛いとは思っていたが、妙にハキハキと、そして滑舌が良い。
ここは何かの面接会場かと言わんばかりのきれいに発音された言葉。
私は慌てて自分も自己紹介をする。
「す、須藤仁香です。高校2年生です。よろしくお願いします、安在さん。」
不思議な子が入ったなぁと心の中で思った。
時間になったのでお店に出る。
安在さんは店長さんに説明を受けているようだった。
「ニカから声をかけたって本当?」
「そうだけど…」
少し暇になったタイミングで商品を陳列していた時、ナナミが別のダンボールを持ってきて私に声をかけてきた。
「ニカ変わったねー」
「私はいつも通りよ。」
たしかに、今までの私だったら人に自分から話しかけることも無かっただろう。
「安在さん、めっちゃ嬉しがってたよー」
「そんなに嬉しいことかしら」
安在さんのあの明るい感じだったら、友達なんてすぐに出来そうだ。
「ニカも色々教えて上げてね!」
「まぁ、"先輩"になったからね!」
「調子に乗るなぁっ!」
同世代が増えて、きっとより楽しくバイト出来るんだろうなって思った。
私の陳列する手の動きがより早まるのだった。



