(いいこと、思いついたっ…)

明日が楽しみだ。

私は少し大きめのバッグに荷物を詰め込んだ。
机の引き出しの中に入れていたアルバイトでのお給料を取り出し、財布の中に入れる。


(私、頑張れたんだ…)


初めて稼いだお金。
大切に使わなきゃ…


「ニカさん、」
「…何でしょうか」

ドアをノックする音が聞こえた。
双葉さんの声だ。

「お部屋入っても大丈夫でしょうか?」
「えぇ、どうぞ」

部屋の中に双葉さんが入る。
私は荷物をサッと詰め込み、双葉さんの方に耳を傾けた。


「急なのですが、お伝えしなければならないことがございまして、参りました。」
「何かしら?」



「明日、お父様達がお帰りになるそうです。」



「なぜ、明日…」

明日はナナミと遊びに行く。
前々からお手伝いさんには伝えておいたし、お手伝いさんづてでお父様には話が通じているはずだ。


「明日は御屋敷の中にいるように、お願いいたします。」


「…わかったわ」


納得した様子で双葉さんは私の部屋を出ていく。





私は随分、生意気になったみたい。


『協力するよ』

『ほんと、嬉しい』

ねじ曲がった性格になったものだ。
私の口角が自然と上がる。

きっと不気味な顔をしている。


作戦、決行…