学校ではないが、朝は早く起きる。
朝の9時~夕方の17時までアルバイト。
その後家に帰って宿題をする。

夏休みのルーティーンになっていた。

たまの休日はナナミと日にちを合わせて、駅前のあたりでいろいろなお店に行ってみたりしてすごした。


私の知らない世界がまだまだあるんだ、ってことをこの夏休みに思い知らされた。

目が大きくなるプリクラ、
ファミリーレストランという場所で食べられる300円の安すぎるドリア、
何でも100円で買えるお店、

新しいことを知ることはとても楽しかった。

それも全てナナミのおかげだ。

私のあまりの世間知らずっぷりに、とても笑われてしまったけど…






『明日だね』
「そうだねー」
『楽しみ?』
「楽しみ!」

とうとう明日、テーマパークに行く日だ。
バイトが終わって、家に帰って、電話をしながら準備をする。
準備といっても、明日何を着るかとか持ち物は何が必要かくらい。
電話のほとんどはいつもの会話と変わらない。
そこに追加されているのはテーマパークへのワクワク感ぐらい。


『多分、水かかって濡れるアトラクションあるから、着替えあった方が良いかも。』
「え、そんなものが、…」

『夏だから水の量、倍増してるらしいから、ビショビショ確定だからね!』
「わ、わかった!」