お手伝いさんはこのような沢山の食材たちの中から、選びに選んで買ってきてくださっている。

お手伝いさんに感謝をお伝えしたくなった。

「じゃあ、これ持って」

私はナナミさんに、様々なお菓子が入ったダンボールを手渡される。

「この棚にこんな感じに、入れていって、前から入ってるものは手前に移動して」
「はい」

言われるがまま、見よう見まねでお菓子を棚に並べていく。
見たことの無いお菓子ばかり。
普段なかなかお目にかかれない品物ばかりだ。


「ニカは仕事が丁寧だね、キレイ」
「本当ですか?」

「うん。ありがとうね手伝ってくれて。」

ナナミさんは私を褒めてくれた。
言われるがまま、ナナミさんの真似をしていただけなのに。
つまり、


「私の仕事が綺麗だということは、ナナミさんの真似をしているので、ナナミさんの仕事が綺麗だということです。」

ナナミさんは声を出して笑っている。
本当のことを言っただけなのに。

ナナミさんの笑った顔を見ると、釣られて私も笑ってしまう。
ナナミさんの笑顔は、幸せを分け与えてくれるようだ。


「次は…」


私は3時間程、棚に色々なものを並べる作業だけでなく、『半額』と書いてあるシールを貼ったり、お掃除をしたり、色々なことをさせてもらった。