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朝の優しい日差しが寝室を照らす中、涼はグッタリをした様子で寝る美月の頬をそっと撫でながら見つめていた。美月との初めての夜は、想像以上の物だった。激しいキスで美月の腔内を暴けば、気持ちよさそうに舌を動かす美月。その動きがたどたどしくて、愛おしさが込み上げた。我慢できずに美月の体を貫くと、くぐもった声が聞こえてきた。
「……う゛んっ……っ……」
そっと体を離し繋がった場所を確認して、俺は目を見開く。
血……?
二人の繋がった場所から美月の大腿にかけて薄らと出血していた。
美月は処女?
混乱しながらも俺は腰の動きを止めることは出来なかった。激しく彼女を求めると、痛くて辛いだろうに、嬉しそうに瞳を潤ませながら俺を受け入れてくれる。俺の欲望を全て受け止めた美月は今、グッタリとベッドに横たわっていた。
美月が初めてだったことに歓喜する同時に、疑問が浮かぶ。
美月は不倫をして会社から左遷されたと言っていた。だが、美月は処女だった。
一体どういうことなんだ?
体の関係が無い不倫?
それは不倫なのだろうか?
食事をして、デートしたぐらいなら……それも不倫なのか……?
美月ともう一度話さないといけないな。
涼は美月の乱れた髪をそっと耳に掛けてやりながら、スヤスヤと眠る美しい人を見つめた。


