仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?



 *

「ちょっと、お姉ちゃん!」

 去って行くお姉ちゃんの背中に向かって呼びかけるも、お姉ちゃんがこちらを振り返ることは無かった。

 もう!

 何なのよ。

 こっちは心配してあげているのに。

 そう言えばお姉ちゃん、何処に住んでいるのかな?

 智咲は公園を出て行く美月の後を、気づかれないように追いかけた。

 一体何処に住んでいるんだろう?

 あっ、スーパーに入った。

 どうしよう……私も入ったらバレそうだし、少し離れた所で待つか……。

 それから15分ほど過ぎたところで、エコバッグを片手にお姉ちゃんが出てきた。

 何だろう、少し嬉しそうな……浮かれてる?

 歩き出した姉の後ろをまた気づかれないよう、一定の距離を開けて歩く。すると周りにある建物よりも遙かに高い、マンションの中にお姉ちゃんが入って行った。

 えっ……うそ……ここ?

 お姉ちゃんのお給料では到底住めそうに無い、高級マンションにためらいも無く入って行くお姉ちゃん。

 どういうこと?