次の週になり、智咲はお気に入りのシフォンワンピースを着て、姉の勤める会社の前に立っていた。

 ここで待てば、必ずお姉ちゃんを捕まえられるはずだ。

 時刻は17時30分を過ぎ、定時で仕事を終えた社員達が、玄関から出てくるのを見つめながら姉を探す。姉を探しながらも、自分をアピールすることも忘れない。

「あの子可愛いな」

「誰か探しているのかな?」

 そうでしょう。

 私って可愛いでしょう。

 助けてあげたくなっちゃうでしょう。

 ふふふ……。

 智咲の回りに男達が群がり出す。

 少し男性達と話をしているとそこに姉が現れた。