その声に驚きながら両親がこちらに振り返った。 「美月……」 口元を押さえ驚く母はそれ以上何も言わない。 「美月、お前は何をしにここに?」 そう言った父の眉間に皺が寄る。そして唸るような声が聞こえてきた。 「お前の顔など見たくない。帰りなさい」 「あなた……」 顔も見たくない……。 真っ正面からの言葉に血の気が引きグラリと体が揺れる。こんな所で倒れるわけにはいかないと、両足に力お入れ必死に踏ん張った。父親からの言葉が胸にグサリと突き刺さる。 最悪の誕生日だ。