会議室に通された美月は、部屋の中をグルリと見渡した。部屋の中には大和さんを中心に机が用意されている。いつもとは違う机の配置に違和感を覚えていると、会社の重役達が部屋の中に入ってきた。美月は大和の隣に用意された椅子に座るよう促され、美月と大和を取り囲む様に配置された机に、重役達が腰を下ろした。まるで犯罪でも犯し、裁きを受ける裁判所にでもいるようだ。重役達の目は罪人を許さない、とでも言っているように冷たい視線で私を見つめてくる。美月の背中に冷たい汗が一筋流れ落ちた時、美月の直属の上司である部長が口を開いた。
「それで、二人が不倫をしていたというのは事実なのかね?」
部長からジロリと睨まれ、美月の体がビクリと跳ねる。何と答えたら良いのか迷っていると、隣に座っていた大和さんが部屋に響く声で答えた。
「はい。事実です」


