いつもは会議室として使用する部屋に、すでに誰かが座っていた。 大和さん……。 思わず声に出しそうになるのを我慢する。 大和さん少し窶|《やつ》れたかしら……。大和さんも大和さんなりに悩み、苦しんだのかもしれない。自分だけが苦しんでいるのではないと感じ、少しだけ胸の重みが軽くなった気がした。 気がしたんだ……。 この瞬間、この時……この時までは私は大和さんの事が好きだった。その大好きだった……大好きだった人に美月は地獄に突き落とされる。