「なっ……どうしてこっちを見るのよ」
「さあねぇ?それは自分が一番分かっているのでは?」
智咲がグッと唇を噛みしめ、悔しそうに顔を歪めた。それを隣で見ていた大和の奥さんが「えっ?えっ?」と大和さんと智咲を交互に見ていた。
涼の言葉に導かれるように、見えないピースが少しずつはまっていく感覚だった。
もうすぐ答えが出る。
いや、もう出ているのかもしれない。
ここにいる当事者達は、答えを導き出していた。
「智咲あなた……まさか」
母が両手を口元に当て、震えている。そんな母とは対照的に父は何も言わずに口をつぐんでいた。


