「おかしいね?捨てたピアスを美月が付けているなんて、どうしてだろう?」
涼が淡々と声にしながら、大和と奥さんを見た。
「そっ……そんなのまたその女が買ったんでしよう?同じように不倫するために」
「いいや違う。これはシリアルナンバー付きの限定ピアスなんだ。日本には五点ほどしか輸入されていなかった。そのうちの三点は持ち主を確認した。そしてその他の二点、それを購入したのは美月のご両親で合っていますか?」
急に話を振られ、かつて父だった人が慌てて答えた。
「あ……ああ、その通りだ娘達へのプレゼントに二点購入した」
「美月に渡したシリアルナンバーを覚えていますか?」
美月の母が、胸の前で両手を組みながら答えた。
「NO.33です。美月の名前に似ているナンバーでお願いしたので」
「では、妹さんのシリアルナンバーは?」
「NO.34です」
「今美月が付けているピアスは確かにNO.33です。では、奥さん……あなたが見つけたピアスは一体誰の物だったのですかね?」
大和の奥さんの体がぐらりと揺れた。
「一体どういうことなの……」
美月の両親も状況が飲み込めないといった顔をしていた。
そんな三人を嘲るように涼が笑った。


